天気予報では入梅日が発表されましたね。皆さまお健やかにお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?。
今日は歯の変色であるテトラサイクリン歯についてお話しします。
永久歯の形成期(0~12歳頃)にテトラサイクリン系抗生物質服用をした作用としておこるのがテトラサイクリン歯です。服用した時期によって変色の位置が異なり、前歯から第1大臼歯に左右対称的に現れます。またテトラサイクリン系抗生物質は多くの種類があり、薬によって変色の色が異なります。変色は紫外線によって濃くなります。
変色はありますが、歯自体には問題はありません。
テトラサイクリン系抗生物質は、以前はマイコプラズマ肺炎や百日咳の特効薬として使われていたため、昭和40年代に生まれた世代の方に最も多くみられます。その後歯に対する副作用が認められ使用が控えられています。しかし治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合には処方され、現在でも20代後半から40代までは歯に薄い黄色の縞模様が認められる人がいらっしゃいます。
次にテトラサイクリン歯の歯科医での治療法をご紹介します。
<ホワイトニング>
歯の表面に薬剤を塗布して歯を白くするので、歯を削らない歯に優しい方法です。強く変色してしまっている場合は対応できないこともあります。
<ラミネートベニア>
歯の表面をうすく削り、そこにセラミック製のシェル状のものを貼り付ける方法です。ホワイトニングが効かないような強い変色にも対応でき「ホワイトニング以上に歯を白くしたい」というニーズにも応えられます。歯ぎしりや食いしばりが強い場合には特にお勧めしません。
<セラミッククラウン>
セラミック(陶器)でつくられた被せ物を歯の上にすっぽり被せてしまう方法です。ただし、元の歯を削って小さくする必要があります。もとの歯と同じ位置に被せるので違和感はほとんどありません。歯並びに凹凸がある場合は歯の向き(軸)を変えることも出来ます。しかし、歯を全周にわたって削るため、もとの歯には戻れません。また歯の向き(軸)を変える場合は神経をとる必要があることが欠点といえます。
テトラサイクリンによる歯の変色は目立たなくする事ができます。もし気になることがございましたら、是非一度ご相談ください。
担当は歯科医師小嶋智子でした。
気温変動の激しい季節の変わり目となっております。お身体をどうぞご自愛ください。