ブログ

2020.11.01

唾液分泌能

皆様お久しぶりです。
まだまだコロナウイルスがさまざまな影響を世の中に及ぼしていますが、自分や周りの人の為に自身でできる限りの感染予防対策をしていきたいですね。

今回はPCR検査の検体の1つとして挙がっている唾液についてです。
少し前のブログにも唾液やカリオテストについてあがっていますが、少し違う視点からももう少しお話させていただきます。
唾液には色々な作用があり、健康な人の1日の唾液分泌量は1~1.5リットルと言われています。口腔内を潤すだけでなく、唾液のそれぞれの成分が機能を持ち、お口の潤いと健康を守っています。

1.自浄作用 歯垢や食べかすを洗い流す。
2.消化作用 アミラーゼ(酵素)がデンプンを分解して体内に吸収しやすくする。
3.抗菌作用 細菌の増殖を抑える。
4.粘膜保護作用 ムチンが喉や食道を傷つけにくくする。
5.食塊形成作用 味を感じさせ、み砕いたり飲み込んだりしやすい塊にする。
6.pH緩衝作用 飲食により酸性に傾いたお口のpHを中和させる。
7.粘膜修復作用 上皮成長因子(EGF)が組織が傷ついたときに修復する
8.再石灰化作用 飲食により、溶けかかった歯面の修復をする。
9.潤滑作用 発音や発声をスムーズにする。

お口が乾燥すると、口の中の細菌が繁殖しやすくなります。自浄作用が低下して感染症を引き起こしたり、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるなどさまざまなトラブルが生じてきます。
適切な口腔ケアを行うことで誤嚥性肺炎のリスクを軽減するだけでなく、食機能の早期改善も期待できます。
【食べる】という行為は「咀嚼(噛む)」「食塊形成(まとめる)」「嚥下(飲み込む)」の3つからなります。

〇唾液が正常に分泌されている時
咀嚼(噛む) 歯と顎の力で食べ物を細かく砕きます。

食塊形成(まとめる) 飲み込みやすくするために、唾液を使って適度な塊にします。

嚥下(飲み込む) 食べ物を喉から食道へ送り込みます。唾液で食べ物を覆っているので喉や食道が傷つきません。

〇唾液の分泌量が少ない時
咀嚼(噛む)

食塊形成(まとめる) 唾液が少ないと、なかなか適度な塊になりません。じょうずに塊がつくれないので、飲み込むのも苦労します。

嚥下(飲み込む) 飲み込むのも苦労するのを放っておくと食事が面倒になり、食欲不振や低栄養状態のリスクが高まります。

他にも、上手に塊がつくれないので飲み込みに失敗し、喉から気管にいくこともあります。これを放っておくと誤嚥性肺炎のリスクも高まってしまいます。
さらに、唾液分泌量が少ないと抗菌作用が働かず、菌が繁殖しやすくなり、ムシ歯(う蝕) ・歯周病・口臭のリスクも高まっていきます。

お口の乾燥は大事なサインです。口腔乾燥にも注意し唾液のケアも行いましょう。
口腔環境を守るためには定期的なチェックが欠かせません、是非メンテナンスにもいらしてください。

世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック

歯科医師濱田が担当いたしました。

0120-33-8172 03-3309-8123 24時間WEB予約