歯周病と糖尿病には関連性があるのをご存知ですか?実はかなり深い関係があります。
1.歯周病とは
歯周病は細菌感染によっておこる歯の周りの組織の病気で、歯垢中の細菌の攻撃に対して体が防戦する際に分泌されるサイトカインが過剰に分泌されると自分を破壊してしまうことが原因です。
2.糖尿病とは
糖尿病は血糖値が高い状態が続いた結果、全身の器官に異常をきたす病気です。インスリンが分泌されない(1型)とインスリンが分泌されてもうまく作用しない(2型)に分かれます。日本人の糖尿病患者の90パーセントが2型です。
3.高血糖が続くと歯周病は悪化します。
血糖値が上昇すると。自分を攻撃してしまう特定のサイトカインが増えることが原因と考えられています。また糖尿病の人は免疫や組織修復力も弱いため炎症による歯周組織破壊が進みやすくなります。
4.歯周病治療で糖尿病が改善
糖尿病と歯周病を併せ持つ患者さんに歯周治療を行うと血糖値が改善したという報告が多数あり、歯周病は糖尿病を悪化させる要因の一つである可能性が高いということがわかってきました。メカニズムとしては炎症時の特定のサイトカインがインスリンの作用を邪魔しているからと考えられます。したがって歯周病を治療することによりサイトカインの量が減少し、結果インスリンの作用が発揮されて血糖値が改善すると考えられています。
実は歯周病は糖尿病だけではなく心臓病や動脈硬化、脳血管障害、肺炎、早産などにも関連性があることがわかってきています。体の健康はお口から!定期的なメンテナンスをお勧めします。
歯科医 阿部の担当でした。