いよいよ9月ですね。一時の厳しい暑さは和らぎましたが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか?。
人の歯は乳歯20本、永久歯は28本、これに親知らず(智歯)が人によって1〜4本加わります。それよりも多く作られた歯を「過剰歯(かじょうし)」と言います。
過剰歯は歯列内に生えてくるもの、歯列から外れて生えてくるもの、また骨の中に埋まったままの場合が多く、歯の上下が逆転して鼻のほうを向いている「逆性埋伏過剰歯(ぎゃくせいまいふくかじょうし)」も少なくありません。
歯の形は、正常に近いものから退化傾向の小さなもの不完全な形のものまで様々です。女性より男性に多い傾向です。顎の中のどこにでも発生する可能性はありますが、上顎前歯の歯根付近、特に真ん中の歯の間に高い頻度でみられます。
<原因>
はっきりしていません。
<症状>
自覚症状がないものがほとんどで、レントゲン撮影で初めて発見されることが多いです。過剰歯を放置しておこる異常は、歯並びが乱れたり、歯が生えてくることができなかったり、近くにある歯の根の吸収まや歯の動揺をおこしたりします。
<治療>
レントゲン撮影で存在が認められた場合、噛み合わせや周囲の歯に悪影響を及ぼす恐れがあったり、将来的に正常な歯の萌出や歯並びに影響すると考えられるときには抜歯を行います。
また逆性の場合は鼻に向って萌出する可能性がある為、抜歯の対象になります。
骨の深い位置に埋伏して周囲に悪影響を及ぼさない、抜くことによって周囲の歯根を傷つける可能性がある場合は経過観察する場合もあります。
近年ではCT撮影で過剰歯の位置を詳しく知ることができるようになり、判断の精度が上がっています。
<抜歯時期>
年齢や状態によって、抜歯する時期を検討します。
低年齢すぎると処置が難しいのと、骨の中の永久歯を抜歯時に傷つけてしまう恐れがありますし、長く放置していると萌出した永久歯の神経を、抜歯時に傷つける危険があります。レントゲン撮影などで、定期的に観察しながら適期を決めていきますが、乳歯から永久歯への交換期(6〜7歳)に過剰歯の抜歯を行うことが多いです。
永久歯の歯並びに影響しない過剰歯は、抜歯せずに経過観察することも多いですが、中高年になってから感染を受けたり、義歯の障害になって抜歯されることもあります。
このように歯並びや生え替わりに問題がある場合、過剰歯が隠れていることもあります。気になることがありましたらどうぞお気軽にご相談下さい。
まだまだ暑さ厳しい日もあるかと思いますので、どうぞお身体ご自愛ください。
歯科医師小嶋でした。