急に寒さがやってきましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?
問題のある嚙み合わせのひとつに過蓋咬合があります。
嚙み合わせた時に、下の前歯が上の前歯に覆われて見えないような、前歯の嚙み合わせが著しく深い嚙み合わせを言います。下の前歯が上の前歯の裏側の根本に当たる状態になると、歯茎を噛んで痛んだり、顎の動きに制限が加わり顎関節痛につながったりします。成長期に過蓋咬合であると下顎骨の成長を阻害することもあります。
*過蓋咬合になる原因*
遺伝によって、顎の骨の位置に問題があったり、上下の骨の成長がアンバランスな場合、歯の位置・傾きに異常がある場合、前歯が過剰に伸びている場合、奥歯の萌出が少なく高さが不足している場合があります。
後天的には、虫歯が原因で噛み合わせが崩壊して歯の高さが低くなったり、奥歯を抜いたままにしていると噛み合わせが深くなってしまい過蓋咬合になる場合があります。また強い力で歯を噛みしめる癖があったり、下唇を噛んだり、下唇を吸うなど口周りの筋肉を緊張させる癖、うつぶせ寝や頬杖が原因になります。
*治療方法*
乳歯列では原因究明をした上で経過観察をしていきます。一番奥の乳臼歯が生えていない場合は、生えることで改善の可能性があります。治療には取り外しのきく装置を入れ、噛み合わせを高くする咬合挙上といわれる方法が行われます。またこの年代の過蓋咬合は悪い癖が原因の場合が多いです。悪癖を除去することで、二次的な不正の防止や過蓋咬合が改善することがあります。
永久前歯が4本生えそろい6歳臼歯が生える6歳頃、犬歯や小臼歯が生え変わる8~10歳ごろが矯正治療を始めるか否かを決める時期になります。歯が生え変わるこの時期は顎骨も大きく成長する時期だからです。必要であれば取り外し可能な装置を夜間に使用して、下顎の成長を促し前歯の傾斜の改善を行います。
上顎の成長は12歳ごろにほぼ完成しますが、下顎は身長が伸びているうちは成長を続けるので、症状によっては17~18歳まで経過観察が必要です。
*過蓋咬合の予防*
姿勢や口の動かし方で、日常的予防もあります。猫背やあごを突き出して首が前に出ている姿勢は、下顎の筋肉を緊張させ下顎の成長へ影響を及ぼしかねません。背筋を伸ばし、正しい姿勢を維持するようにしましょう。また口呼吸や頬杖もお口周りの筋肉のバランスを崩す原因になるので、注意が必要です。
日々の生活で積極的な会話を心掛け、下顎を動かす機会をつくったり、筋肉の過度な緊張があるときはマッサージでリラックスさせるのも方法です。
成長期の下顎骨の成長を妨げることのある過蓋咬合、気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
世田谷区 千歳烏山 浜岡歯科クリニック
歯科医師小嶋が担当いたしました。